2022年11月26日~12月25日に奈良県立美術館で開催された企画展「絵画のたのしみ」の感想記事です。
どんな企画展?
・関西の実業家で化学者でもあった大橋嘉一氏のコレクション展
・絵画を見る楽しみと集める楽しみを知る
・1950~60年代の美術の一端に触れる
感想
第一展示室のみ撮影可でしたので、少し写真を貼りつつ感想を書いていきます。
白髪一雄作品
大橋コレクション500余点のうち、120点をも占めるのが白髪一雄氏の作品。
白髪氏は素足で絵の具を塗りつける「フットペインティング」が有名です。
何かの番組で、白髪氏の作業風景を観たことがあるのですが、天井から吊るしたひも(ロープ?布?)につかまって、床に置いた紙に足で絵の具を広げていく、というスタイルで「こういうのもアリなんだ!!」と驚いたことがあります。
ダイナミックな軌道を描く作品もあれば、静を感じさせる作風のものも。
個人的には波シリーズが好きです。
近くで見ると、波のひだがよくわかる。
白髪氏は得度もしているので、70年代には密教をテーマにした作品も描いています。
こちらは一番有名でしょうか。
抽象的ではあるのですが、人影(仏の影?)が天に向かって飛び立つような感じがよく伝わってきます。
「十界のうち、天・人間界」というタイトルが実にしっくりくるというか「(素人ですら)なんかわかるー」という感じですよね。
野村耕の作品
活版印刷の型紙などを用いたコラージュ作品が印象的な野村耕氏。
地図を様々な素材で再現?したり、なんだかすごく惹かれてしまいます。
(どんなテイストか確認するには国立美術館のサイトが一番見やすいかも)
ちょっと調べた感じだと、あまり作品数が多くはないのかもしれませんが、企画展をやってほしい作家のひとりです。
おわりに
「前衛絵画ってちょっとわからんのよな」と思っていましたが、わからないなりに観ていると何かしら感じるものはありますね。
少なくとも、「この人の作品はなんか惹かれる」みたいな好みはわかってきて、楽しいです。
寒い季節なのでせんとくんもショールを巻いていました。
グレーのマスクもおしゃれ。
(こういう、人の手が入っている感じ、グッときてしまう)